伊賀から奈良へ 大和高原をバスと徒歩で東西横断 [バス]
奈良県は北西部の奈良盆地に人口が集中しており、その他は広大な山間部です。奈良市の東側には大和高原と呼ばれる比較的なだらかな山地が、三重県の伊賀盆地との間に広がっています。
秋の爽やかな晴天の休日、この大和高原を伊賀市から奈良市に向けて、バスと徒歩で横断してきました。
今回のルートはこちら。それなりの距離がある区間です。
伊賀上野から忍者顔の伊賀鉄道で上野市へ。
上野市駅前から三重交通バスの国道山添行に乗ります。
観光地らしく整備された市中心部を抜けてすぐ、上野東ICから名阪国道に乗ります。
最高速度70km/hの自動車専用道路を快走します。
途中のバス停は、パーキングエリアの中にあったり、インターを一旦降りて草蒸した場所にあったりと色々です。
治田ICで名阪国道を降り、その先は俗に「非名阪」と言われる国道25号線の一般道を行きます。
こちらはカーブや狭隘区間が多い山の中の道で、通行する車も非常に少ないです。
終点の国道山添は、名阪国道の山添ICのそばの、山添村の中心地区にあります。
付近はコミュニティーバス、針インター行の奈良交通バス、大阪、名古屋、首都圏行の高速バスの乗り場があるジャンクションになっています。しかし高速バスを除くと土日は運行していないので、三重交通バスでここまで来たらその先は歩くしかありません。
売店もコンビニも全然ない道を西へ向かって歩きます。
このあたりは大和茶の生産地で、きれいに刈り込まれた茶畑が見えます。
平日のみ走るコミュニティーバスも非常に本数が少ないです。
1時間ちょっと歩くと、JR奈良駅から来る奈良交通バスの終点である北野のバス停につきます。
しかし例によって周りに休憩できる店がないので、もう少し先まで歩くことにします。
気持ちのいい田舎の風景が続きます。
郵便局を過ぎて布目ダムのダム湖を橋で越えたところに、感じのいいカフェがあったので、ようやく人心地つきました。
休憩して鋭気を養ったら、北野から来る奈良交通バスに大橋バス停から乗車です。
すぐに奈良市内の水間町に入りますが、その先も延々と田舎道が続きます。奈良市は広いです。
奈良盆地が視界に広がり、下界に降りてきたら、鹿が戯れ観光客の溢れるいつもの奈良市内です。
市街地に入ってから観光客を満載し、終点のJR奈良駅に到着です。
奈良の市街地からちょっと東へ行くだけで、商店のほとんどない集落や茶畑が点在する風景が延々と続いています。天気もよい中、きれいな景色の大和高原を堪能できた路線バス旅でした。
秋の爽やかな晴天の休日、この大和高原を伊賀市から奈良市に向けて、バスと徒歩で横断してきました。
今回のルートはこちら。それなりの距離がある区間です。
伊賀上野から忍者顔の伊賀鉄道で上野市へ。
上野市駅前から三重交通バスの国道山添行に乗ります。
観光地らしく整備された市中心部を抜けてすぐ、上野東ICから名阪国道に乗ります。
最高速度70km/hの自動車専用道路を快走します。
途中のバス停は、パーキングエリアの中にあったり、インターを一旦降りて草蒸した場所にあったりと色々です。
治田ICで名阪国道を降り、その先は俗に「非名阪」と言われる国道25号線の一般道を行きます。
こちらはカーブや狭隘区間が多い山の中の道で、通行する車も非常に少ないです。
終点の国道山添は、名阪国道の山添ICのそばの、山添村の中心地区にあります。
付近はコミュニティーバス、針インター行の奈良交通バス、大阪、名古屋、首都圏行の高速バスの乗り場があるジャンクションになっています。しかし高速バスを除くと土日は運行していないので、三重交通バスでここまで来たらその先は歩くしかありません。
売店もコンビニも全然ない道を西へ向かって歩きます。
このあたりは大和茶の生産地で、きれいに刈り込まれた茶畑が見えます。
平日のみ走るコミュニティーバスも非常に本数が少ないです。
1時間ちょっと歩くと、JR奈良駅から来る奈良交通バスの終点である北野のバス停につきます。
しかし例によって周りに休憩できる店がないので、もう少し先まで歩くことにします。
気持ちのいい田舎の風景が続きます。
郵便局を過ぎて布目ダムのダム湖を橋で越えたところに、感じのいいカフェがあったので、ようやく人心地つきました。
休憩して鋭気を養ったら、北野から来る奈良交通バスに大橋バス停から乗車です。
すぐに奈良市内の水間町に入りますが、その先も延々と田舎道が続きます。奈良市は広いです。
奈良盆地が視界に広がり、下界に降りてきたら、鹿が戯れ観光客の溢れるいつもの奈良市内です。
市街地に入ってから観光客を満載し、終点のJR奈良駅に到着です。
奈良の市街地からちょっと東へ行くだけで、商店のほとんどない集落や茶畑が点在する風景が延々と続いています。天気もよい中、きれいな景色の大和高原を堪能できた路線バス旅でした。
デデキント流実数体の構成を省略せずにやってみた [数学]
以前の記事に引き続き、性懲りも無く実数体の構成法にこだわった記事を書きます。
有理数体$\mathbb{Q}$から実数体$\mathbb{R}$を構成する方法には、大きく分けるとデデキント流の切断を用いた「全順序集合の完備化」を原理とする方法と、カントル流のコーシー列を用いた「距離空間の完備化」を原理とする方法があり、それぞれの方法が各書籍で紹介されています。
このうちデデキント流の構成法については、最初から最後まで切断でやり抜いた日本語の書籍になかなかお目にかかれません(途中の証明を省略したり、乗法演算の段階から数列の収束に切り替えたりするケースが見られます)。その理由の一つが「デデキント流だと乗法演算の各法則の証明において正負の場合分けが煩雑になる」ことらしいのです。
これは本当にそうなのか、実際にデデキント流の実数体の構成を細部まで省略せずに書き出してみました。その結果をレポート風にまとめたのがこちらのPDFです。
デデキント流実数体の構成を省略せずにやってみた
やってみた結果を一言でいうと、一部忍耐の必要な式変形作業はあるものの、そう大したことはありませんでした。
具体的な方法はPDFを見てほしいのですが、ひととおりの流れを書きます。
(1) $\mathbb{R}$の構成
$\mathbb{Q}$の部分集合のうち、空でなくかつ上に有界なものの全体を$\mathfrak{R}$とする。$\mathfrak{a} \in \mathfrak{R}$ に対し、$\mathbb{Q}$における$\mathfrak{a}$の上界の全体を $U(\mathfrak{a})$ とかくこととし、$\mathfrak{a}, \mathfrak{b} \in \mathfrak{R}$ に対して
\[ \mathfrak{a} \sim \mathfrak{b} \quad \Leftrightarrow \quad U(\mathfrak{a}) = U(\mathfrak{b}) \]
によって$\mathfrak{R}$上の関係 $\sim$ を定める。これは同値関係だから、$\mathfrak{R}$の $\sim$ による商集合を$\mathbb{R}$とかき、その要素を実数とよぶ。
(2) 順序の定義
$[ \mathfrak{a} ], [ \mathfrak{b} ] \in \mathbb{R}$ に対して、
\[ [ \mathfrak{a} ] \le [ \mathfrak{b} ] \quad \Leftrightarrow \quad U(\mathfrak{a}) \supseteq U(\mathfrak{b}) \]
によって$\mathbb{R}$上の関係 $\le$ を定める。この $\le$ が$\mathbb{R}$の全順序関係になることを証明する。
(3) 完備性の証明
$\mathbb{R}$の完備性、すなわち空でなく上に有界な$\mathbb{R}$の部分集合が常に上限をもつことを証明する。
(4) 加法演算の定義
$\mathfrak{a}, \mathfrak{b} \in \mathfrak{R}$ に対して、
\[ \mathfrak{a} \oplus \mathfrak{b} = \{ \, x+y \, \mid \, x \in \mathfrak{a} \land y \in \mathfrak{b} \, \} \]
と定める。$\mathfrak{a} \oplus \mathfrak{b} \in \mathfrak{R}$ であることが示されるから、
\[ [ \mathfrak{a} ] + [ \mathfrak{b} ] = [ \mathfrak{a} \oplus \mathfrak{b} ] \]
によって$\mathbb{R}$上の加法演算 $+$ を定める。これによって$\mathbb{R}$が $[ \{ 0 \} ]$ を単位元とする可換順序群をなすことを証明する。
(5) 乗法演算の定義(正の範囲)
$\mathbb{R}$の正の範囲$\mathbb{R}^+$における乗法演算 $\cdot$ を、加法演算と同様の方法で定める。ただし$\mathbb{Q}$も正の範囲$\mathbb{Q}^+$だけで考え、加法演算は乗法演算に置きかえる。これによって$\mathbb{R}^+$が $[ \{ 1 \} ]$ を単位元とする可換順序群をなすことを証明する。また加法と乗法の分配則も成り立つ。
(6) 乗法演算の定義(全範囲)
$\mathbb{R}^+$において定めた乗法演算を$\mathbb{R}$全体に広げ、$\mathbb{R}$が順序体をなすことを証明する。
面倒だったのは(6)の作業です。乗法演算を切断や上界によって定義しようとすると、一方が負の場合に順序関係が逆転するので、乗法演算を一気に定義するのは難しい。そこで先に正の範囲だけで乗法演算を定義し、それを負の範囲まで広げるという方法を取りましたが、この「負の範囲まで広げる」段階で交換則、結合則、分配則の証明を省略せずに書き出すのが結構しんどいのです。
考えてみたら「負の数の掛け算」は小学校から当たり前のように使っていますが、各法則がどうして成り立つのかについてはまともな証明を目にすることはなかったと思います。
実数論以前のことではありますが、思わぬ難しさ(というか面倒臭さ)に出会って、また数学への認識を新たにしたところです(という大げさな話でもないですが)。
有理数体$\mathbb{Q}$から実数体$\mathbb{R}$を構成する方法には、大きく分けるとデデキント流の切断を用いた「全順序集合の完備化」を原理とする方法と、カントル流のコーシー列を用いた「距離空間の完備化」を原理とする方法があり、それぞれの方法が各書籍で紹介されています。
このうちデデキント流の構成法については、最初から最後まで切断でやり抜いた日本語の書籍になかなかお目にかかれません(途中の証明を省略したり、乗法演算の段階から数列の収束に切り替えたりするケースが見られます)。その理由の一つが「デデキント流だと乗法演算の各法則の証明において正負の場合分けが煩雑になる」ことらしいのです。
これは本当にそうなのか、実際にデデキント流の実数体の構成を細部まで省略せずに書き出してみました。その結果をレポート風にまとめたのがこちらのPDFです。
デデキント流実数体の構成を省略せずにやってみた
やってみた結果を一言でいうと、一部忍耐の必要な式変形作業はあるものの、そう大したことはありませんでした。
具体的な方法はPDFを見てほしいのですが、ひととおりの流れを書きます。
(1) $\mathbb{R}$の構成
$\mathbb{Q}$の部分集合のうち、空でなくかつ上に有界なものの全体を$\mathfrak{R}$とする。$\mathfrak{a} \in \mathfrak{R}$ に対し、$\mathbb{Q}$における$\mathfrak{a}$の上界の全体を $U(\mathfrak{a})$ とかくこととし、$\mathfrak{a}, \mathfrak{b} \in \mathfrak{R}$ に対して
\[ \mathfrak{a} \sim \mathfrak{b} \quad \Leftrightarrow \quad U(\mathfrak{a}) = U(\mathfrak{b}) \]
によって$\mathfrak{R}$上の関係 $\sim$ を定める。これは同値関係だから、$\mathfrak{R}$の $\sim$ による商集合を$\mathbb{R}$とかき、その要素を実数とよぶ。
(2) 順序の定義
$[ \mathfrak{a} ], [ \mathfrak{b} ] \in \mathbb{R}$ に対して、
\[ [ \mathfrak{a} ] \le [ \mathfrak{b} ] \quad \Leftrightarrow \quad U(\mathfrak{a}) \supseteq U(\mathfrak{b}) \]
によって$\mathbb{R}$上の関係 $\le$ を定める。この $\le$ が$\mathbb{R}$の全順序関係になることを証明する。
(3) 完備性の証明
$\mathbb{R}$の完備性、すなわち空でなく上に有界な$\mathbb{R}$の部分集合が常に上限をもつことを証明する。
(4) 加法演算の定義
$\mathfrak{a}, \mathfrak{b} \in \mathfrak{R}$ に対して、
\[ \mathfrak{a} \oplus \mathfrak{b} = \{ \, x+y \, \mid \, x \in \mathfrak{a} \land y \in \mathfrak{b} \, \} \]
と定める。$\mathfrak{a} \oplus \mathfrak{b} \in \mathfrak{R}$ であることが示されるから、
\[ [ \mathfrak{a} ] + [ \mathfrak{b} ] = [ \mathfrak{a} \oplus \mathfrak{b} ] \]
によって$\mathbb{R}$上の加法演算 $+$ を定める。これによって$\mathbb{R}$が $[ \{ 0 \} ]$ を単位元とする可換順序群をなすことを証明する。
(5) 乗法演算の定義(正の範囲)
$\mathbb{R}$の正の範囲$\mathbb{R}^+$における乗法演算 $\cdot$ を、加法演算と同様の方法で定める。ただし$\mathbb{Q}$も正の範囲$\mathbb{Q}^+$だけで考え、加法演算は乗法演算に置きかえる。これによって$\mathbb{R}^+$が $[ \{ 1 \} ]$ を単位元とする可換順序群をなすことを証明する。また加法と乗法の分配則も成り立つ。
(6) 乗法演算の定義(全範囲)
$\mathbb{R}^+$において定めた乗法演算を$\mathbb{R}$全体に広げ、$\mathbb{R}$が順序体をなすことを証明する。
面倒だったのは(6)の作業です。乗法演算を切断や上界によって定義しようとすると、一方が負の場合に順序関係が逆転するので、乗法演算を一気に定義するのは難しい。そこで先に正の範囲だけで乗法演算を定義し、それを負の範囲まで広げるという方法を取りましたが、この「負の範囲まで広げる」段階で交換則、結合則、分配則の証明を省略せずに書き出すのが結構しんどいのです。
考えてみたら「負の数の掛け算」は小学校から当たり前のように使っていますが、各法則がどうして成り立つのかについてはまともな証明を目にすることはなかったと思います。
実数論以前のことではありますが、思わぬ難しさ(というか面倒臭さ)に出会って、また数学への認識を新たにしたところです(という大げさな話でもないですが)。