さよなら金剛バス 葛城山を下り水越峠からの金剛バスに名残の乗車 [バス]
南河内を運行エリアとする金剛バスにはこれまでも何回か乗車しましたが、このたびついに運営会社の金剛自動車から、2023年12月21日をもって路線バス事業を廃止することが発表されました。
それ以降の地域の公共交通をどうするかは関係市町村による協議会で議論されてきており、このほどその内容も決定されました。次のサイトから内容を知ることができます。
令和5年度第4回富田林市、太子町、河南町及び千早赤阪村地域公共交通活性化協議会資料・議事概要
これによると、現在の金剛バス15路線のうち主要5路線は近鉄バスと南海バスへ引き継がれ、その他の多くは自治体の「自治体有償旅客運送」に引き継がれます。完全に廃止される区間もいくつかあり、その中の一つに千早線の東水分〜水越峠間(休日のみ運行)があったので、廃止される前に名残乗車をしてきました。
今回のルートはこちら。ロープウェイで葛城山に登り、水越峠まで山道を下って、そこから金剛バスで富田林駅まで乗るという、ハイキングと乗りバスを組み合わせた行程です。
まず葛城山に登るために、近鉄御所駅からロープウェイの葛城登山口駅まで奈良交通バスに乗ります。しかしロープウェイはほぼ30分に1本運行しているのに、そこへのアクセスバスが臨時を入れても1時間に1本しかないのは不便です。
色づいた山肌を見ながら、バスは山麓を登って行きます。
バスの終点でロープウェイに乗り換えます。このロープウェイは近鉄直営ですが、昨今の情勢からこれもいつ廃止されるかわかりません(南隣の金剛山にアクセスする千早赤阪村営ロープウェイは、2019年より休止となり、そのまま廃止が決定してしまいました)。
ロープウェイからは奈良盆地を見下ろす素晴らしい景色です。
ロープウェイを降りて紅葉の散策路を少し歩くと、葛城山上に着きます。
この季節はススキの原が綺麗で、天気がよかったので大阪湾までよく見えました。
山頂付近の白樺食堂でうどんを食べて休憩したら、水越峠に向けて約2km強の山下りです。「ダイヤモンドトレール」という名前がつけられた金剛葛城山系を縦走する登山道で、金剛山や岩湧山にも通じています。
この道は階段が延々と続くのですが、1段あたりの蹴上げがかなり高いので、とても普通にトントンとは降りられません。一歩一歩膝を曲げながら慎重に降りて行かなければならず、すぐに足裏や膝が痛くなってきます。
階段をひたすら降りていき、ちょっとした岩場を越え、小川沿いの道をしばらく歩くと、水越峠の道路に出ます。
かつての国道309号線を峠から大阪府側へ少し歩くと、金剛バスの水越峠バス停に到着です。山歩きなので余裕を持った行程としたために、50分ほど早く着いてしまいました。足が疲れたのでどこかに座りたいところですが、ベンチがないので柵の基礎コンクリートに座って休憩しました。
時刻通りやって来たバスは、回転場にバックで入って向きを変え、待っていた登山客が数名乗り込みました。
バスは旧道を下り、すぐに国道に合流してさらに下って行きます。
東水分からは現在の白木線が河南町のコミュニティバスとして今後も残りますが、そちらは千早赤阪村の中心地の森屋を通らないので、実質的には森屋〜水越峠が完全廃止となります。
バイパス開通後に国道309号線から格下げになった府道705号線を通り、河南町から富田林市内へと進みます。この道での大型車どうしのすれ違いも12月20日まででおそらく見納めです。
富田林駅南口に到着しました。
たくさんの路線を走る薄緑色のバスが集まるこの光景も、もうすぐ見られなくなります。
駅前の金剛自動車の本社建屋も、今後解体されていくのでしょうか。
長い間地域に密着した一つのバス会社が、時代の流れで消えていきます。公共交通の在り方に間違いなく一石を投じた事象になりそうです。
ともあれ、お疲れ様でした。最後の日まで安全運行をお願いします。
「路線バス歩き」のすすめ(目次)へ
それ以降の地域の公共交通をどうするかは関係市町村による協議会で議論されてきており、このほどその内容も決定されました。次のサイトから内容を知ることができます。
令和5年度第4回富田林市、太子町、河南町及び千早赤阪村地域公共交通活性化協議会資料・議事概要
これによると、現在の金剛バス15路線のうち主要5路線は近鉄バスと南海バスへ引き継がれ、その他の多くは自治体の「自治体有償旅客運送」に引き継がれます。完全に廃止される区間もいくつかあり、その中の一つに千早線の東水分〜水越峠間(休日のみ運行)があったので、廃止される前に名残乗車をしてきました。
今回のルートはこちら。ロープウェイで葛城山に登り、水越峠まで山道を下って、そこから金剛バスで富田林駅まで乗るという、ハイキングと乗りバスを組み合わせた行程です。
まず葛城山に登るために、近鉄御所駅からロープウェイの葛城登山口駅まで奈良交通バスに乗ります。しかしロープウェイはほぼ30分に1本運行しているのに、そこへのアクセスバスが臨時を入れても1時間に1本しかないのは不便です。
色づいた山肌を見ながら、バスは山麓を登って行きます。
バスの終点でロープウェイに乗り換えます。このロープウェイは近鉄直営ですが、昨今の情勢からこれもいつ廃止されるかわかりません(南隣の金剛山にアクセスする千早赤阪村営ロープウェイは、2019年より休止となり、そのまま廃止が決定してしまいました)。
ロープウェイからは奈良盆地を見下ろす素晴らしい景色です。
ロープウェイを降りて紅葉の散策路を少し歩くと、葛城山上に着きます。
この季節はススキの原が綺麗で、天気がよかったので大阪湾までよく見えました。
山頂付近の白樺食堂でうどんを食べて休憩したら、水越峠に向けて約2km強の山下りです。「ダイヤモンドトレール」という名前がつけられた金剛葛城山系を縦走する登山道で、金剛山や岩湧山にも通じています。
この道は階段が延々と続くのですが、1段あたりの蹴上げがかなり高いので、とても普通にトントンとは降りられません。一歩一歩膝を曲げながら慎重に降りて行かなければならず、すぐに足裏や膝が痛くなってきます。
階段をひたすら降りていき、ちょっとした岩場を越え、小川沿いの道をしばらく歩くと、水越峠の道路に出ます。
かつての国道309号線を峠から大阪府側へ少し歩くと、金剛バスの水越峠バス停に到着です。山歩きなので余裕を持った行程としたために、50分ほど早く着いてしまいました。足が疲れたのでどこかに座りたいところですが、ベンチがないので柵の基礎コンクリートに座って休憩しました。
時刻通りやって来たバスは、回転場にバックで入って向きを変え、待っていた登山客が数名乗り込みました。
バスは旧道を下り、すぐに国道に合流してさらに下って行きます。
東水分からは現在の白木線が河南町のコミュニティバスとして今後も残りますが、そちらは千早赤阪村の中心地の森屋を通らないので、実質的には森屋〜水越峠が完全廃止となります。
バイパス開通後に国道309号線から格下げになった府道705号線を通り、河南町から富田林市内へと進みます。この道での大型車どうしのすれ違いも12月20日まででおそらく見納めです。
富田林駅南口に到着しました。
たくさんの路線を走る薄緑色のバスが集まるこの光景も、もうすぐ見られなくなります。
駅前の金剛自動車の本社建屋も、今後解体されていくのでしょうか。
長い間地域に密着した一つのバス会社が、時代の流れで消えていきます。公共交通の在り方に間違いなく一石を投じた事象になりそうです。
ともあれ、お疲れ様でした。最後の日まで安全運行をお願いします。
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