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北摂から秋の丹波路へ路線バス乗り継ぎで向かう [バス]

 天気もよく、少し暑いくらいの10月の休日に、久しぶりの乗りバスです。
 今回は千里中央から園部まで山越えルートで。



 大阪府内は阪急バス、京都府内は京阪京都交通で、府境を越えるほんの少しの区間だけ徒歩になります。
 数十年前までは京都交通(倒産しました)のバス路線が亀岡から府境を越えて余野まで走っていたので、千里中央から亀岡までバス乗り継ぎで行けました。今回このルートを辿って千里中央から亀岡市内、さらに園部を目指します。

 たくさんのバスがひしめくターミナル千里中央から、ほぼ1時間に1本の希望ヶ丘二丁目行に乗ります。

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 新御堂筋を北上します。建設中の北大阪急行線の延伸部分が見えます。

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 白島北から東に向きを変え、住宅地内の山麓道路を粟生団地まで走ります。

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 粟生団地で折り返し、少し山道を走ったと思ったら、トンネルを抜けて彩都のニュータウン内に入ります。希望ヶ丘路線がこのルートに変わったのは2016年のことで、それまではほとんどの便がクリーンセンターを経由するひたすら山道のルートでした。

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 モノレールの彩都西駅を経由し、彩都を抜けて馬場からは北に向きを変え、本格的にカーブだらけの山道になります。

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 泉原付近は美しい棚田が広がっています。

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 峠を越えて豊能町に入ると、まもなく山の中のニュータウン希望ヶ丘に着きます。余野まで行く便もありますが、今回乗った便は希望ヶ丘二丁目が終点です。

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 すぐに牧経由池田行きが来ました。余野〜牧の間約2.7kmもの重複区間を折り返して池田に向かう路線です。池田方面に向かう乗客が何人かいましたが、わざわざ牧へ行って折り返すのは苦々しく思っているでしょう。

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 豊能町の役場がある余野地区を通り抜けます。

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 田園地帯を少し走ると、折り返し地点の牧に着きます。

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 阪急バスはこの先には行かないので徒歩になりますが、すぐに府境を越え、ほんの500m歩いて右側に物産店が見えたら京阪京都交通の神地バス停に着きます。

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 今回は乗り継ぎも良く、程なく京都先端化学大学行きの「亀岡市ふるさとバス」が来ました。

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 循環路線なので向きが2通りありますが、今回は万願寺経由の少し遠回りする便です。交通量の少ない道をのんびりした集落を縫って走ります。

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 山間部を抜けると少し開けた扇状地を下っていきます。

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 終点の京都先端科学大学京都亀岡キャンパスは、この地域のバス拠点になっていて、亀岡駅からの路線と支線路線がここで乗り継ぎとなります。

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 ここからもう一つのバス乗り継ぎ拠点である運動公園ターミナルまでも路線があるのですが、かなりの待ち時間があったし2kmほどの距離なので、歩いて向かうことにします。

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 途中の穴太寺でついでに参拝します。

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 運動公園ターミナルからは、亀岡駅から来て篠山街道を経由する園部行きのバスに乗ります。亀岡・南丹地区ではそこそこ長い距離を走る路線です。

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 湯の花温泉までは国道372号線ですが、その先からはほとんど旧道の狭い道を走ります。

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 八田からは篠山街道を離れ、田園地帯をしばらく走って市街地に入ると、まもなく終点の園部駅に到着です。

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 園部駅前は西口が京阪京都交通とコミュニティバスの乗り場、東口が福知山方面へ向かう西日本JRバスの乗り場になっています。西口広場は比較的新しく整備され、住宅地にも近いですが、商店はコンビニがあるくらいで少々寂しい状況です。

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 秋の空気ののどかな田舎道を、バスに揺られたり少し歩いたりして、気持ちよく過ごせた休日でした。

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奈良盆地の鉄道空白地帯を広陵町コミュニティバスで縦断 [バス]

 奈良県内の路線バスは近鉄系の奈良交通がほぼ1社独占状態ですが、県内くまなく路線を張り巡らせているかというと最近はそうでもなく、奈良盆地の平地部でも路線を撤退して空白地帯になっている場所がかなりあります。
 その空白を埋めるのが、各市町村が運営するコミュニティバスですが、これも自治体によってだいぶ温度差があり、全く運行しない自治体もあれば、土日も運行する充実した路線網を持つ自治体もあります。今回はそのような自治体の一つである北葛城郡広陵町のコミュニティバスを使って、奈良盆地の鉄道空白地帯を南北に縦断しました。

 ルートはこちら。



 広陵町のコミュニティバスは「広陵元気号」という愛称がついており、町内に3路線あります。運賃は100円で、路線間の乗継も可能。土日も運転し、交通系ICカードやQRコード決済もできるという、コミュニティバスにしては相当充実して使いやすいです。

広陵町の案内ページへのリンク

町域外の大和高田駅にも乗り入れていて、そこまで行く場合だけ運賃が200円になります。今回は時間の都合上、大和高田からの路線は利用せず、隣の築山駅を出発点にしました。

 近鉄大阪線の築山駅は、駅前にロータリーもバス停もなく民家だけの駅です。

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 北へ歩くとすぐに生協のスーパーがあり、広陵町のコミュニティーバスの「コープなんごう」停留所があります。バス停の場所が分かりにくく、店の人に訊いてちょっと外れの駐車場内にあることがわかりました。

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 バスの時間までスーパー内のイートインで休憩し、やってきたワゴンのバスに乗車しました。

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 このバスは「南部支線」で、真美ヶ丘ニュータウン内を通って町役場まで行きます。
 小型なので住宅地の狭い道にも入って行きます。

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 香芝市との境界にあるショッピングモール「エコール・マミ」前を通ります。ニュータウン内は奈良交通の路線もあるので、運賃が安いコミュニティバスと合わせて便利なバス路線網ができています。

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 ニュータウンを抜けると東に向きを変え、田園地帯に入ります。

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 広陵町役場をいったん通り過ぎ、百済地区に寄り道してから、広陵町役場前で南部支線を下車しました。

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 役場の入口のすぐ前に停留所があり、3つの路線が集まる拠点なので時刻表も賑やかです。

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 とはいえ役場周辺にそれほど商店があるわけではありません。待ち時間が1時間以上あるので、惣菜店の弁当とコンビニのコーヒーを買って、路線バスの停留所跡のベンチで時間潰しをしました。

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 ちょっと歩くと「南郷環濠集落」があり、小さな公園ができています。

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 役場に戻って、大和高田駅から来た「中央幹線」のバスに乗ります。今度は小型ですがちゃんとしたバスです。

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 各施設に寄りながら北上します。途中たまたま道路工事のためルートが狭い道に変更されていました。

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 かぐや姫のモニュメントがある物産店などの複合施設「はしお元気村」に立ち寄ります。広陵町は竹取物語の舞台ということだそうです。

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 田原本線の箸尾駅に近い停留所で下車し、古い街並を駅まで散歩しました。

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 かぐや姫に見送られながら、近鉄田原本線で帰ります。

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 箸尾駅からさらに北側には、JR関西線との間に広大な鉄道・バス空白地帯が広がっており、各自治体のコミュニティバスも広陵町ほど充実していないので、南北に縦断することができません。特に三宅町には全くバス路線がなく、川西町も東西を結ぶコミュニティバスが平日のみ運行されているだけです。需要がないといえばそれまでですが、どうにかならないものかと思います。

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超フィルターを用いた距離空間の完備化 [数学]

 先日の記事「超フィルターを使った距離空間「全有界+完備 ⇔ コンパクト」の証明」で、距離空間の完備性を超フィルターを用いた同値な条件で表しました。今回はそれと関連して、距離空間の完備化を超フィルターを用いて構成するということをやってみます。
 超フィルターについての予備知識は、こちらの記事を参照してください。今回はそれに加えて次の事実も使います。$X$ を空でない集合、$\mathbf{F}$ を $X$(の冪集合)上の超フィルターとすると、次が成立します。
\begin{equation*} \tag{0}
A \in \mathbf{F} \land B \subseteq X \to B \in \mathbf{F} \lor A \setminus B \in \mathbf{F}
\end{equation*}
 また、全体を通じて、正実数の全体を $\mathbb{R}^+$ で、非負実数の全体を $\mathbb{R}^+_0$ で表します。

1. 距離空間上の超フィルター間に擬距離を定める

 $\langle X, d_X \rangle$ を距離空間とします。$X$ は空でない集合で、$d_X : X^2 \to \mathbb{R}^+_0$ は距離関数です。$X$ の要素は慣習にならって点とよびます。
 $X$ の空でない部分集合 $A,B$ に対し、$A,B$ 間の「距離」を
\begin{equation*}
\mathrm{dist}_X(A,B) = \inf \{ \, d_X(a,b) \, \mid \, a \in A \land b \in B \, \}
\end{equation*}
によって定めます。これは感覚的には距離と言ってよいですが、点間の距離とは違って三角不等式を満たしません。
 次に、$X$ 上の超フィルターの全体を $\mathrm{U}(X)$ とし、その要素 $\mathbf{A}, \mathbf{B}$ に対して次によって関数 $\bar{d}_X : \mathrm{U}(X)^2 \to \mathbb{R}^+_0 \cup \{ \infty \}$ を定めます。
\begin{equation*}
\bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B}) = \sup \{ \, \mathrm{dist}_X(A,B) \, \mid \, A \in \mathbf{A} \land B \in \mathbf{B} \, \}
\end{equation*}
これは「超フィルター間の距離のようなもの」といえます。なぜそう言えるかはすぐ後で証明します。
 $X$ の点 $x,y$ に対し、単項フィルター $\uparrow x, \uparrow y$ を考えると、
\begin{equation*}
\bar{d}_X( \uparrow x, \uparrow y ) = d_X(x,y)
\end{equation*}
となることはすぐわかります。
 関数 $\bar{d}_X$ は一般には $\infty$ になることがあり得ます。そこで、ある $X$ の点 $x$ に対して $\bar{d}_X( \mathbf{A}, \uparrow x ) < \infty$ となるような超フィルター $\mathbf{A}$ を「有界超フィルター」と呼び、$X$上の有界超フィルターの全体を $\mathrm{U}_B(X)$ とかくことにします(ここだけの勝手な用語です)。単項フィルター $\uparrow x$ はもちろん有界超フィルターであり、$\mathbf{A}, \mathbf{B}$ がともに有界超フィルターならば $\bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B} ) < \infty$ であることも容易にわかります(ある $x,y \in X$ に対して $\bar{d}_X( \mathbf{A}, \uparrow x ) < \infty, \bar{d}_X( \mathbf{B}, \uparrow y ) < \infty$ とすると、任意の $A \in \mathbf{A}, B \in \mathbf{B}$ と $a \in A, b \in B$ に対して $d_X(a,b) \le d_X(a,x) + d_X(b,y) + d_X(x,y)$ だから $\mathrm{dist}_X(A,B) \le d_X(a,x) + d_X(b,y) + d_X(x,y)$ より $\mathrm{dist}_X(A,B) \le \mathrm{dist}_X(A, \{x\} ) + \mathrm{dist}_X(B, \{y\} ) + d_X(x,y) \le \bar{d}_X( \mathbf{A}, \uparrow x ) + \bar{d}_X( \mathbf{B}, \uparrow y ) + d_X(x,y) < \infty$ となり、これより $\bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B} ) < \infty$ が得られる)。従って $\mathrm{U}_B(X)$ 上では関数 $\bar{d}_X$ の値は $\infty$ にはならずに $\mathbb{R}^+_0$ 内にとられます。
 このとき、次が成立します。

【定理1】上で定義した $\bar{d}_X$ は、$\mathrm{U}_B(X)$ 上の擬距離を定める。

(証明)
① $\bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{A}) = 0$
 フィルターの有限交差性から明らか。
② $\bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B}) = \bar{d}_X( \mathbf{B}, \mathbf{A})$(対称性)
 定義の対称性から明らか。
③ $\bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B}) \le \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{C}) + \bar{d}_X( \mathbf{B}, \mathbf{C})$(三角不等式)
 まず一般に $\bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B}) < \infty$ ならば、次の$2$性質が成り立つことに注意する。

 i) $\forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, \forall A \in \mathbf{A} \, \forall B \in \mathbf{B} \, \exists a \in A \, \exists b \in B \, ( d_X(a,b) < \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B}) + \epsilon )$
 ii) $\exists A \in \mathbf{A} \, \exists B \in \mathbf{B} \, \forall a \in A \, \forall b \in B \, ( d_X(a,b) \ge \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B}) )$

 このことを念頭におきつつ、ある $\mathbf{A}, \mathbf{B}, \mathbf{C} \in \mathrm{U}_B(X)$ に対して $\bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B}) > \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{C}) + \bar{d}_X( \mathbf{B}, \mathbf{C})$ と仮定して矛盾を導く。$\epsilon = \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B}) - \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{C}) + \bar{d}_X( \mathbf{B}, \mathbf{C})$ とおくと $\epsilon \in \mathbb{R}^+$ である。ii) より
\begin{equation} \tag{1}
\forall a \in A \, \forall b \in B \, ( d_X(a,b) \ge \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B}) )
\end{equation}
をみたす $A \in \mathbf{A}, B \in \mathbf{B}$ がとれる。$C \in \mathbf{C}$ を一つとり、
\begin{eqnarray*}
C_1 &=& \{ \, c \in C \, \mid \, \exists a \in A \, ( d_X(a,c) < \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{C}) + \epsilon /2 ) \, \} \\
C_2 &=& \{ \, c \in C \, \mid \, \exists b \in B \, ( d_X(b,c) < \bar{d}_X( \mathbf{B}, \mathbf{C}) + \epsilon /2 ) \, \}
\end{eqnarray*}
とおくと、
\begin{equation*}
C \setminus C_1 = \{ \, c \in C \, \mid \, \forall a \in A \, ( d_X(a,c) \ge \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{C}) + \epsilon /2 ) \, \}
\end{equation*}
なので、
\begin{equation*}
\forall c \in C \setminus C_1 \, \forall a \in A \, ( d_X(a,c) \ge \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{C}) + \epsilon /2 )
\end{equation*}
と i) と $A \in \mathbf{A}$ より $C \setminus C_1 \notin \mathbf{C}$ であり、$\mathbf{C}$ は超フィルターだから($0$)より $C_1 \in \mathbf{C}$ である。同様に $C_2 \in \mathbf{C}$ が得られるから、フィルターの有限交差性より $C_1 \cap C_2 \neq \emptyset$ である。$c \in C_1 \cap C_2$ を一つとると、$d_X(a,c) < \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{C}) + \epsilon /2$ となる $a \in A$ と $d_X(b,c) < \bar{d}_X( \mathbf{B}, \mathbf{C}) + \epsilon /2$ となる $b \in B$ が存在するから、
\begin{equation*}
d_X(a,b) \le d_X(a,c) + d_X(b,c) < \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{C}) + \bar{d}_X( \mathbf{B}, \mathbf{C}) + \epsilon = \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B})
\end{equation*}
これは $(1)$と矛盾するから、仮定が誤っている。□

 ここで三角不等式の証明に超フィルターの性質を使用しています。


2. 同値類によって距離空間を構成する

 $X$ の完備化を求めるために、上で定まった擬距離空間 $\langle \mathrm{U}_B(X), \bar{d}_X \rangle$ をもう少し制限します。
\begin{equation} \tag{2}
\mathrm{U}_C(X) = \{ \, \mathbf{A} \in \mathrm{U}_B(X) \, \mid \, \forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, \exists x \in X \, ( \bar{d}_X( \mathbf{A}, \uparrow x ) < \epsilon ) \, \}
\end{equation}
によって $\mathrm{U}_C(X)$ を定め、$\langle \mathrm{U}_B(X), \bar{d}_X \rangle$ の部分擬距離空間 $\langle \mathrm{U}_C(X), \bar{d}_X \rangle$ を考えます。この上に次によって自然な同値関係 $\sim$ を定めます。
\begin{equation*}
\mathbf{A} \sim \mathbf{B} \quad \Leftrightarrow \quad \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B} ) = 0
\end{equation*}
そしてこの同値関係による商集合 $Y$ と、関数 $d_Y : Y^2 \to \mathbb{R}^+_0$ を次によって定めます。
\begin{eqnarray*}
&&Y = \mathrm{U}_C(X) / \sim \\
&&d_Y( [ \mathbf{A} ], [ \mathbf{B} ] ) = \bar{d}_X( \mathbf{A}, \mathbf{B} )
\end{eqnarray*}
ここで $[ \mathbf{A} ]$ は $\mathbf{A}$ が属する同値類を表します。この $d_Y$ は Well Defined で、$Y$ 上の距離関数の条件をみたすことが容易にわかるので、$\langle Y, d_Y \rangle$ は距離空間になります。
 単項フィルター $ \uparrow x $ は明らかに $\mathrm{U}_C(X)$ に属するので、写像 $\iota : X \to Y$ を
\begin{equation*}
\iota(x) = [ \uparrow x ]
\end{equation*}
によって定めると、明らかに $d_Y( \iota(x), \iota(y) ) = d_X(x,y)$ すなわち $\iota$ は距離を保つ単射になり、$Y$ は $X$ の拡大とみなすことができます。この $\langle Y, d_Y \rangle$ が $\langle X, d_X \rangle$ の完備化(以下簡単に $Y$ が $X$ の完備化)であることを示すのが本記事の目的です。


3. 完備化であることの証明

 距離空間 $Y$ が 距離空間 $X$ の完備化であることを示すには、次の2点を示すことが必要十分です。

 i) $\iota$ による $X$ の像 $\iota[X]$ は $Y$ において稠密である。
 ii) $Y$ は完備である。

 以下、ひとつずつ証明していきます。i) は簡単です。

【定理2】$\iota$ による $X$ の像 $\iota[X]$ は $Y$ において稠密である。

(証明)
 任意に $a \in Y$ と $\epsilon \in \mathbb{R}^+$ をとる。$a = [ \mathbf{A} ] \ ( \mathbf{A} \in \mathrm{U}_C(X) )$ とすると、$\mathrm{U}_C(X)$ の定義($2$)より、ある $x \in X$ があって $\bar{d}_X( \mathbf{A}, \uparrow x ) < \epsilon$ をみたす。従って $d_Y(a, \iota(x) ) = \bar{d}_X( \mathbf{A}, \uparrow x ) < \epsilon$ となるから、$\iota[X]$ は $Y$ において稠密である。□

 これに対し、ii) の証明はちょっと一手間かかります。先日の記事で紹介した完備性の超フィルターによる同値条件を使って証明します。

【定理3】$Y$ は完備である。

(証明)
 $Y$ が完備であることを示すためには、任意にとった $Y$ 上の超フィルター $\mathbf{F}$ について次が成立することを示せばよい。
\begin{equation} \tag{3}
\forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, \exists y \in Y \, ( U(y, \epsilon ) \in \mathbf{F} ) \to \exists y \in Y \, \forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, ( U(y, \epsilon ) \in \mathbf{F} )
\end{equation}
ここで $U(y, \epsilon )$ は $Y$ における点 $y$ を中心とする半径 $\epsilon$ の開球を表す。そこで($3$)の矢印の左側、次の条件をみたす $Y$ 上の超フィルター $\mathbf{F}$ を任意にとる。
\begin{equation} \tag{4}
\forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, \exists y \in Y \, ( U(y, \epsilon ) \in \mathbf{F} )
\end{equation}
$\iota[X]$ が $Y$ において稠密だから $\forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, \forall y \in Y \, ( U(y, \epsilon ) \cap \iota[X] \neq \emptyset )$ である。これより、
\begin{equation*}
\mathbf{A} = \{ \, A \subseteq X \, \mid \, \exists \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, \exists y \in Y \, ( U(y, \epsilon ) \in \mathbf{F} \land \iota[A] = U(y, \epsilon ) \cap \iota[X] ) \, \}
\end{equation*}
と定めると、$\mathbf{F}$ の条件($4$)より $\mathbf{A}$ は空でない。また、任意に有限個の $\mathbf{A}$ の要素 $A_1, A_2, \cdots , A_n$ をとると、$\epsilon_1, \epsilon_2, \cdots , \epsilon_n \in \mathbb{R}^+$ と $y_1, y_2, \cdots , y_n \in X$ が存在して、
\begin{equation*}
U(y_i, \epsilon_i ) \in \mathbf{F} \land \iota[A_i] = U(y_i, \epsilon_i ) \cap \iota[X] \quad (i=1,2, \cdots ,n)
\end{equation*}
であるから、
\begin{equation*}
\iota[A_1] \cap \iota[A_2] \cap \cdots \cap \iota[A_n] = ( U(y_1, \epsilon_1 ) \cap U(y_2, \epsilon_2 ) \cap \cdots \cap U(y_n, \epsilon_n ) ) \cap \iota[X] \neq \emptyset
\end{equation*}
ここで最後の $\neq \emptyset$ は、$U(y_1, \epsilon_1 ) \cap U(y_2, \epsilon_2 ) \cap \cdots \cap U(y_n, \epsilon_n ) \in \mathbf{F}$ と $\mathbf{F}$ の有限交差性より、$\in$ の左側が空でない開集合であることと、$\iota[X]$ が $Y$ において稠密であることから導かれる。従って、
\begin{equation*}
A_1 \cap A_2 \cap \cdots \cap A_n \neq \emptyset
\end{equation*}
であるから $\mathbf{A}$ は有限交差性をもち、これより $\mathbf{A}$ を含む $X$ 上の超フィルター $\mathbf{B}$ が存在する。
 $\mathbf{B} \in \mathrm{U}_C(X)$ を示す。任意に $\epsilon \in \mathbb{R}^+$ をとると、($4$)よりある $y \in Y$ に対して
\begin{equation*}
U(y, \epsilon /3 ) \in \mathbf{F} \land \iota[A] = U(y, \epsilon /3 ) \cap \iota[X]
\end{equation*}
となる $A \in \mathbf{A} \subseteq \mathbf{B}$ が存在する。$a \in A$ を一つとると、任意の $x \in A$ に対して、
\begin{equation*}
d_X(x,a) = d_Y( \iota(x), \iota(a) ) \le d_Y( \iota(x), y ) + d_Y( \iota(a), y ) < \epsilon /3 + \epsilon /3 = 2 \epsilon /3
\end{equation*}
であり、任意の $B \in \mathbf{B}$ は $A \cap B \neq \emptyset$ をみたすから $\mathrm{dist}_X( B, \{a\} ) < 2 \epsilon /3$ である。従って、
\begin{equation*}
\bar{d}_X( \mathbf{B}, \uparrow a ) \le 2 \epsilon /3 < \epsilon
\end{equation*}
これで($2$)より $\mathbf{B} \in \mathrm{U}_C(X)$ が示されたから、$b = [ \mathbf{B} ]$ として $b \in Y$ が定まる。
 最後に次が成立すること( $\mathbf{F}$ が この $b$ に収束すること)を示す。
\begin{equation} \tag{5}
\forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, ( U(b, \epsilon ) \in \mathbf{F} )
\end{equation}
これが成立しないと仮定して矛盾を導く。このとき $U(b, \epsilon ) \notin \mathbf{F}$ となる $\epsilon \in \mathbb{R}^+$ が存在する。($4$)より $U(c, \epsilon /4) \in \mathbf{F}$ をみたす $c \in Y$ がとれ、$\iota[C] = U(c, \epsilon /4 ) \cap \iota[X]$ となる $C \subseteq X$ をとると $C \in \mathbf{A} \subseteq \mathbf{B}$ である。$U(b, \epsilon ) \notin \mathbf{F}$ より $U(c, \epsilon /4) \not \subseteq U(b, \epsilon )$ であるから $d_Y(b,c) > 3 \epsilon /4$ でなければならない。一方、$\iota[X]$ が $Y$ において稠密だから、
\begin{equation*}
d_Y(b, \iota[x] ) < \epsilon /4
\end{equation*}
となる $x \in X$ をとることができる。この $x$ に対し任意に $z \in C$ をとると、
\begin{equation*}
d_X(z, x) = d_Y( \iota[z], \iota[x] ) \ge d_Y(b,c) - d_Y( \iota[z], c ) - d_Y( \iota[x], b ) > 3 \epsilon /4 - \epsilon /4 - \epsilon /4 = \epsilon /4
\end{equation*}
よって $\mathrm{dist}_X( C, \{x\} ) \ge \epsilon /4$ であり、$C \in \mathbf{B}$ かつ $b = [ \mathbf{B} ]$ より
\begin{equation*}
d_Y(b, \iota[x] ) \ge \epsilon /4
\end{equation*}
が得られるが、これは $x$ のとり方に矛盾する。従って($5$)が成立する。
 以上で任意の $Y$ 上の超フィルター $\mathbf{F}$ について($3$)が成立することが示されたから、$Y$ は完備である。□

 これで、超フィルターを用いた距離空間の完備化の構成法を示すことができました。


4. おわりに

 いかがでしたでしょうか。この方法は、距離空間の完備化の構成法として普通にみられるコーシー列を用いたものに比べても相当ゴチャゴチャしていて、手法としてはあまり価値がなさそうな気もしますが、超フィルターのこのような利用法があるということ自体が面白いと思います。また、こちらの記事で紹介した「超準モデルを使った距離空間の完備化」とのアナロジーも感じることができます。一つの手法として紹介しました。

(前記事)

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衣装も踊りも引き込まれるロシアの民族系バンド Otyken [音楽]

 国としてはけしからんことばかりするロシアですが、音楽では色々と面白いバンドがあるようです。
 中でも僕が最近とても惹かれているのは、「シベリア先住民音楽グループ」を名乗る Otyken というバンド。

 MVを見ると、どれも自然の中で若い女性メンバーがミニスカの民族衣装で歌い踊っていて、とてもいいです。

 森の中で1オクターブ上下する特徴的なメロディーで歌い踊る MY WING




 雪原の中で絶叫しながら歌い踊る STORM




 綺麗な山並みを眺める草原で単調だが飽きないリズムで歌い踊る LEGEND




 歌い踊るミニスカ民族衣装美女たちと、朝青龍が髭面になったようなオッサンの低い声、時々入る口琴の響き、後ろで目立たず淡々と踊る仮面の男性、なんかとてもいいです。

 公式ウェブサイトはこちら。歌はハカス語とチュリム語と時々ロシア語で、メンバーはチュリム人だそうです。チュリム人はシベリア中部のクラスノヤルスク地方のチュリム川沿いを発祥とする民族とのことです。
 一度シベリアのこの辺も行ってみたいのですが、とても叶いそうにないですね。

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超フィルターを使った距離空間「全有界+完備 ⇔ コンパクト」の証明 [数学]

 だいぶ前ですが、超準解析について書いた記事の中で、距離空間における表題の有名な定理を超準モデルを使って証明しました。
 本記事では同じ定理を超準モデルではなく、超フィルターを使って証明してみます。超準モデルを使った証明と同じく、距離空間における「全有界」「完備」「コンパクト」のそれぞれの性質が、超フィルターを使った同値な条件で置き換えられることを証明することによって、目的の定理を証明することができます。超フィルターが何かということについては、この記事を参照してください。

 では、順に進めていきましょう。本記事全体を通して $(X,d)$ は距離空間とします($X$ は空でない集合、$d : X^2 \mapsto \mathbb{R}$ は距離関数を表します)。以下 $d$ を省略して「距離空間 $X$ 」ということとします。また、正実数の全体を $\mathbb{R}^+$ で表し、さらに $a \in X, \epsilon \in \mathbb{R}^+$ に対し、$a$ を中心とする半径 $\epsilon$ の開球を $U(a, \epsilon)$ で表します。

 まずは全有界性から。

【定理1】距離空間 $X$ が全有界であることと、
「$X$ 上の任意の超フィルター $\mathbf{F}$ に対して \[ \forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, \exists a \in X \, (U(a, \epsilon) \in \mathbf{F} ) \tag{1} \] が成り立つ。」
ことは同値である。

(証明)$X$は全有界とし、任意に超フィルター $\mathbf{F}$ をとる。任意に正実数 $\epsilon$ をとると、有限個の$X$の点 $a_1, a_2, \cdots a_n$ が存在して、これらを中心とする半径 $\epsilon$ の開球で $X$ を覆うことができるから、
\[ X \subseteq U(a_1, \epsilon) \cup U(a_2, \epsilon) \cup \cdots \cup U(a_n, \epsilon) \]
が成り立つ。ここで $U(a_1, \epsilon), U(a_2, \epsilon), \cdots , U(a_n, \epsilon)$ のどれも $\mathbf{F}$ に属さないと仮定すると、$\mathbf{F}$ が超フィルターだから $X \setminus U(a_1, \epsilon), X \setminus U(a_2, \epsilon), \cdots , X \setminus U(a_n, \epsilon)$ はすべて $\mathbf{F}$ に属し、かつ
\begin{eqnarray*}
&&( X \setminus U(a_1, \epsilon) ) \cap ( X \setminus U(a_2, \epsilon) ) \cap \cdots \cap ( X \setminus U(a_n, \epsilon) )\\
&=& X \setminus ( U(a_1, \epsilon) \cup U(a_2, \epsilon) \cup \cdots \cup U(a_n, \epsilon) )\\
&=& \emptyset
\end{eqnarray*}
となるが、これはフィルター $\mathbf{F}$ が有限交叉性を持つことに矛盾する。従って仮定が誤りであり、$U(a_1, \epsilon), U(a_2, \epsilon), \cdots , U(a_n, \epsilon)$ のどれかが $\mathbf{F}$ に属するから、$(1)$ が成立する。
 逆に、$X$ 上の任意の超フィルター $\mathbf{F}$ に対して$(1)$が成立するものとする。$X$ が全有界でないと仮定すると、ある正実数 $\epsilon$ をとって、どのような $X$ の有限個の点をとってもそれらを中心とする半径 $\epsilon$ の開球で $X$ を覆うことができないようにすることができる。この $\epsilon$ に対し、有限個の半径 $\epsilon$ の開球(中心は任意の点)の和集合の補集合( $X$ からの差)の全体 $\mathbf{A}$ を考える。$\epsilon$ のとり方から明らかに $\mathbf{A}$ は有限交叉性を持つので、$\mathbf{A}$ を含む超フィルター $\mathbf{F}$ が存在する。$(1)$よりある $a \in X$ が存在して $U(a, \epsilon) \in \mathbf{F}$ となるが、一方で $\mathbf{F}$ の作り方より $X \setminus U(a, \epsilon) \in \mathbf{F}$ であるので、$\mathbf{F}$ がフィルターであることと矛盾する。従って $X$ は全有界である。□

 次に完備性に移ります。ここで $X$ 上のフィルター $\mathbf{F}$ が点 $x$ に収束するとは、$x$ の近傍が全て $\mathbf{F}$ に属することをいいます。単に $\mathbf{F}$ が収束するとは、ある点 $a$ に収束することです。距離空間の場合にはこれは次と同値です。
\[ \exists a \in X \, \forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, (U(a, \epsilon) \in \mathbf{F} ) \tag{2} \]

【定理2】距離空間 $X$ が完備であることと、
「$X$ 上の任意の超フィルター $\mathbf{F}$ は、$(1)$が成り立つならば収束する。」すなわち
「$X$ 上の任意の超フィルター $\mathbf{F}$ に対して \[ \forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, \exists a \in X \, (U(a, \epsilon) \in \mathbf{F} ) \to \exists a \in X \, \forall \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, (U(a, \epsilon) \in \mathbf{F} ) \] が成り立つ」
ことは同値である。

(証明)$X$は完備とする。任意に$(1)$をみたす$X$ 上の超フィルター $\mathbf{F}$ をとると、$X$ の点列 $\{ a_n \}$ で
\[ \forall n \in \mathbb{N} \, ( n \ge 1 \to U(a_n, 1/n) \in \mathbf{F} ) \]
をみたすものがとれる。この点列と任意の $k \in \mathbb{N}, k \ge 1$ に対し、$m,n \ge k$ ならば $U(a_m, 1/m) \cap U(a_n, 1/n) \in \mathbf{F}$ より $U(a_m, 1/m) \cap U(a_n, 1/n) \ne \emptyset$ だから、ある $x \in U(a_m, 1/m) \cap U(a_n, 1/n)$ がとれて、
\[ d(a_m,a_n) \le d(a_m,x) + d(a_n,x) < 1/m+1/n \le 2/k \]
となるから、$\{ a_n \}$ はコーシー列であり、$X$ の完備性よりある点 $a$ に収束する。超フィルター $\mathbf{F}$ も同じ点に収束することを示す。任意に $\epsilon \in \mathbb{R}^+$ をとると、$d(a_n,a) < \epsilon /2 \land 1/n < \epsilon /2$ をみたす $n \in \mathbb{N}$ がとれて、任意の $x \in U(a_n, 1/n)$ に対し、
\[ d(x,a) \le d(x,a_n) + d(a_n,a) < 1/n + \epsilon /2 < \epsilon \]
であるから $U(a_n, 1/n) \subseteq U(a, \epsilon)$ であり、従って $U(a, \epsilon) \in \mathbf{F}$ であるから $\mathbf{F}$ は $a$ に収束する。
 逆に、$X$ 上の任意の超フィルター $\mathbf{F}$ は$(1)$が成り立つならば収束するものとする。任意に $X$ 上のコーシー列 $\{ a_n \}$ をとる。任意の $\epsilon \in \mathbb{R}^+$ に対し、ある $k \in \mathbb{N}$ がとれて
\[ m,n \in \mathbb{N} \land m,n \ge k \to d(a_m,a_n) < \epsilon \]
をみたすから、そのような $k$ の最小値を $k(\epsilon)$ とする。こう定めると
\[ n \in \mathbb{N} \land n \ge k(\epsilon) \to a_n \in U(a_{k(\epsilon)},\epsilon) \]
が成り立つ。有限個の $\epsilon_1 \ge \epsilon_2 \ge \cdots \ge \epsilon_m$ に対して $k(\epsilon_1) \le k(\epsilon_2) \le \cdots \le k(\epsilon_m)$ だから、
\[ a_{k(\epsilon_m)} \in U(a_{k(\epsilon_1)},\epsilon_1) \cap U(a_{k(\epsilon_2)},\epsilon_2) \cap \cdots \cap U(a_{k(\epsilon_m)},\epsilon_m) \]
であり、これより $X$ の部分集合の族 $\mathbf{A}$ を
\[ \mathbf{A} = \{ \, U(a_{k(\epsilon)}, \epsilon) \, \mid \, \epsilon \in \mathbb{R}^+ \, \} \]
と定めると、$\mathbf{A}$ は有限交叉性を持ち、よって $\mathbf{A}$ を含む超フィルター $\mathbf{F}$ が存在する。明らかにこの $\mathbf{F}$ は$(1)$をみたすから、仮定によって $\mathbf{F}$ はある点 $a$ に収束する。点列 $\{ a_n \}$ も同じ点 $a$ に収束することを示す。これが成り立たないと仮定すると、ある $\epsilon \in \mathbb{R}^+$ が存在して、$d(a_n,a) \ge \epsilon$ となるようないくらでも大きい $n \in \mathbb{N}$ がとれる。そこで $n \ge k(\epsilon /3) \land d(a_n,a) \ge \epsilon$ となる $n \in \mathbb{N}$ をとると、$d(a_n,a_{k(\epsilon /3)})
< \epsilon /3$ だから、
\[ d(a,a_{k(\epsilon /3)}) \ge d(a_n,a) - d(a_n,a_{k(\epsilon /3)}) > \epsilon - \epsilon /3 = 2 \epsilon /3 \]
であり、これより $U(a, \epsilon /3) \cap U(a_{k(\epsilon /3)}, \epsilon /3) = \emptyset$ が従う。しかし、$\mathbf{F}$ が $a$ に収束するから $U(a, \epsilon /3) \in \mathbf{F}$ であり、また $\mathbf{F}$ の作り方より $U(a_{k(\epsilon /3)}, \epsilon /3) \in \mathbf{F}$ であるから、これは $\mathbf{F}$ がフィルターであることと矛盾する。従って $\{ a_n \}$ は $a$ に収束するから、$X$ 上の任意のコーシー列は収束し、$X$ は完備である。□

(【定理2】の証明をよく見ると、$\mathbf{F}$ について超フィルターの性質が使われていません。ということは【定理2】の「超フィルター」をただの「フィルター」に置き換えても成立するということになりますが、話の流れがややこしくなるのでこのままにしておきます。)

 続いてコンパクト性に移ります。これは距離空間にとどまらず一般の位相空間で成立する定理ですが、証明は全有界性についての【定理1】と非常によく似ています。

【定理3】位相空間 $X$ がコンパクトであることと、
「$X$ 上の任意の超フィルターは収束する」
ことは同値である。

(証明)$X$ はコンパクトとする。$X$ 上の超フィルターでどの点にも収束しないものが存在すると仮定し、$\mathbf{F}$ がそのような超フィルターとする。任意の $a \in X$ に対し、$a$ の開近傍 $U(a)$ で $U(a) \notin \mathbf{F}$ をみたすようなものがとれる。すべての $a \in X$ に対する $U(a)$ の全体は $X$ の開被覆になるから、$X$ のコンパクト性よりそのうちの有限個 $U(a_1), U(a_2), \cdots , U(a_n)$ によって
\[ X \subseteq U(a_1) \cup U(a_2) \cup \cdots \cup U(a_n) \]
が成り立つ。$U(a_1), U(a_2), \cdots , U(a_n)$ はどれも $\mathbf{F}$ に属さないから、【定理1】の証明の前半と同様の考察によって矛盾が導かれる。従って $X$ 上の任意の超フィルターはある点に収束する。
 逆に、$X$ 上の任意の超フィルターは収束するものとする。$X$ がコンパクトでないと仮定すると、ある $X$ の開被覆 $\mathbf{S}$ で、どの有限個をとっても $X$ の被覆にならないものが存在する。有限個の $\mathbf{S}$ の要素の和集合の補集合の全体 $\mathbf{A}$ を考える。$\mathbf{S}$ の性質から明らかに $\mathbf{A}$ は有限交叉性を持つので、$\mathbf{A}$ を含む超フィルター $\mathbf{F}$ が存在する。$\mathbf{F}$ はある $a \in X$ に収束するから、$a \in A \in \mathbf{S}$ をみたす $A$ が存在し、$A$ は開集合だから $A \in \mathbf{F}$ となるが、一方で $\mathbf{F}$ の作り方より $X \setminus A \in \mathbf{F}$ であるので、$\mathbf{F}$ がフィルターであることと矛盾する。従って $X$ はコンパクトである。□

 さて、【定理1】から【定理3】を証明してしまうと、本記事の目的である次の定理はほとんど自明になってしまいました。

【定理4】距離空間においては、全有界かつ完備であることと、コンパクトであることは同値である。

(証明)$X$ が全有界かつ完備ならば、$X$ 上の任意の超フィルターは、【定理1】より$(1)$をみたし、かつ【定理2】より「$(1)$が成り立つならば収束する」をみたすから、収束する。従って【定理3】より $X$ はコンパクトである。
 逆に $X$ がコンパクトならば、$X$ 上の任意の超フィルターは、【定理3】より収束するから$(2)$を満たし、$(2)$より$(1)$は明らかに従うので【定理1】より $X$ は全有界である。さらに「$(1)$が成り立つならば収束する」も自明に成り立つから、【定理2】より $X$ は完備である。□

 以上で、超フィルターを使ってタイトルの結果を証明することができました。流れとしてはこの記事で紹介した超準モデルを使った証明の類似になっています。ただやはり超準モデルのシンプルな論理式と比べると、フィルターそのものの複雑さも相まってちょっとモッチャリした感は否めません(個人の感想です)。

(続く)(前記事)

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絶景の橋を渡る角島への路線バスの旅 [バス]

 6月の頭の天気のいい週末に、下関から鳥取まで山陰の旅をしてきました。
 今回は路線バスよりも鉄道がメインの旅行ですが、途中、下関市にある角島へ路線バスで往復してきました。
 この島は本州と角島大橋で繋がっており、この橋が絶景だということでネットでもよく紹介されていますが、マイカーでなくても路線バスで渡ることができます。

 滝部駅から特牛駅を経由して角島まで、サンデン交通の子会社「ブルーライン交通」の路線バスが通っています。
(はじめの方のログを取り忘れました。)



 幡生から山陰線に乗り、途中の小串で1両編成の列車に乗り継ぎます。

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 車窓が綺麗な海岸沿いを走ります。

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 滝部駅は今は下関市ですが、旧豊浦郡豊北町の中心駅です。ここから角島行きのバスに乗ります。

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 旧豊北町の中心地を通り抜け、田舎道をしばらく走ったと思ったら・・・

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 絶景の角島大橋を渡る路線バスです。

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 島に上陸し、灯台のある近くのバス停で下車しました。

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 5分ほど歩くと角島灯台に着きます。

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 入場料を払い、狭い階段を上り詰めると、日本海を見渡す景色が広がっています。

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 浜辺に降りると、そこは日本海に突き出した島の先端です(360度写真)。

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 灯台近くのレストランで、しらす丼を食べました。

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 帰りも同じバスですが、角島の集落や港のある地域を通っていきます。

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 帰りの角島大橋もいい景色です。

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 帰りは途中の特牛駅で下車しました。「こっとい」と読む難読駅名です。

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 周りは何もない集落ですが、駅舎は味わい深いです。

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 この先、長門市、木与、益田と列車を乗り継いで、この日は浜田で宿泊し、翌日鳥取までずっと山陰線で移動しました。
 山陰線の車窓はどこも海が綺麗ですが、個人的には長門市〜萩間が一番だと思います(本数がとても少ないですが)。

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 海とローカル線を堪能した、いい旅行でした。

「路線バス歩き」のすすめ(目次)へ

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呉から江田島までバスと徒歩で島伝い [バス]

 季節もよくなり久々の乗りバス遠征です。
 今回は広島県へ。



 広島湾を塞ぐように島がいくつか並んでいますが、このうち倉橋島は呉から橋でつながり、さらに能美島へも橋でつながり、そのまま陸続きで江田島まで船を使わずに行くことができます。今回、呉からこのルートで江田島までバスと徒歩で訪れることにしました。

 広島駅から赤い新しい電車で呉へ。車窓から海と島が見えます。

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 呉駅から市営バスの路線を引き継いだ広電バスで、倉橋島に向かいます。PASPY対応なので交通系ICカードが使えます(ただし2025年3月までに順次終了予定)。

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 音戸の瀬戸を渡る橋は旧と新の2本ありますが、バスは旧の音戸大橋を渡って倉橋島に上陸します。

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 倉橋島は案外と建物や工場などが立ち並ぶ賑やかな島で、牡蠣の養殖も盛んです。

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 バスは島の南の方まで行きますが、能美島に渡るため途中の藤の脇で下車しました。

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 ここから呉市生活バスの路線に乗り換えて能美島へ渡る橋のたもとまで行くのですが、さてそのバスの乗り場がわかりません。あまり時間もないので運行事業者の「なべタクシー」に電話したところ、少し離れた港の近くが乗り場になっていました。

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 広電バスと同じ塗色に「なべ」のロゴマークシールが貼られています。広電バスではないのですがPASPY対応でした。

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 西側の海岸を少し走って、早瀬大橋の場所で下車します。

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 残念ながら橋を渡って能美島まで行くバス路線はないので、ここから徒歩で渡橋となります。

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 ちょうど昼なので海の見えるラーメン店で腹ごしらえ。

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 最高の景色を堪能しながら海を渡ります。

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 橋の上で360度パノラマ写真が撮れるのも徒歩渡橋ならでは(マウスを乗せてドラッグしてください)。

20220515早瀬大橋(360度)

 能美島へ上陸し、さらにバス停のある大君集落まで歩きます。

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 1時間弱ほど歩いて江田島バスの南大君バス停まで来ましたが、バスの時間まで少し間があいているので、さらに先の柿浦まで歩いて一本早いバスに乗りました。

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 能美島と江田島は元々別の島だったのを浅瀬を埋め立てて陸続きにしたもので、ちょうどその埋め立てた場所にゆめタウンやEDIONなどの商業施設が集まっています。

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 江田島に入り、西側の海岸線に沿って北上し、自衛隊第1術科学校前で下車しました。江田島バスもPASPY対応です。

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 自衛隊の敷地内に旧海軍兵学校の建物があり、予約すれば見学できますが、今回は思いつきで来たので予約しておらず敷地内に入れませんでした。

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 基地の外にはひなびた飲食店街があります。

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 再度江田島バスに乗って、小用の船乗り場に到着です。

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 江田島はいくつもの船乗り場があり、小用からさらに北にある切串まで行って広島行の船に乗りたかったのですが、そこまでのバスの便が極端に少ないので、諦めてここから船に乗ることにしました。

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 宇品港ターミナルと一体になった電停から路面電車に乗って広島駅に向かい、今回の乗りバス遠征は終了です。

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 瀬戸内海には無数の島があり、本土と橋で繋がっている島もたくさんあります。バスで島巡りできるルートは他にもありそうなので、また調べて訪れてみたいと思います。

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笑いと皮肉で楽しめるマレーシア華人ラッパー Namewee(黃明志) [音楽]

 ずっと前から活躍している人なのに、僕が知ったのは不覚にも最近でした。マレーシアの Namewee(漢字名 : 黃明志)です。
 華人系なので中国語の歌詞が多いですが、軽い調子のラップや、バラード系の歌などもたくさん出しています。MVがまた面白いです。
 僕が気に入った楽曲を紹介します。


 まずは、中国の農村で怪しい美女たちと踊る China Reggaeton(中國痛)。



 共演している味のあるオッサンは、知る人ぞ知るB級ホラー「八仙飯店之人肉饅頭」で殺人犯役を怪演したアンソニー・ウォンです。中国にこんな楽しい宿があったら行ってみたいです。


 次は、二宮芽生と一緒に日本式英語を楽しく学ぶ Tokyo Bon(Makudonarudo)。



 全体的には盆踊りのリズムに乗った歌ですが、間奏部分の二宮芽生の合いの手が完全に沖縄なところがまたいいです。


 もう一つ、しんみりしたラブソングの中に皮肉な歌詞を散りばめた問題作 Fragile(玻璃心)。



 中国の動画サイトからは削除されたという、聞く人が聞けばわかる中国批判の歌詞満載だそうです。MVに登場するパンダもそんな目で見るとそういうふうに見えます。


 この他にもたくさんのMVがYoutubeに載っています。中国だけでなく母国マレーシアからも睨まれているようですが、怯むことなく楽しく危ない楽曲を出し続けて欲しいです。

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黄色いシャツがシンボル ボスニアの楽しいバンド Dubioza kolektiv [音楽]

 ボスニア・ヘルツェゴビナのスカバンド?ヒップホップ?か何かよくわかりませんが、楽しいバンド Dubioza kolektiv の紹介です。
 音楽だけでも楽しいですが、メッセージ性も強いので、ぜひ英語字幕で楽しみましょう。

 まずは、バルカンの泥臭い音楽に乗せて悲壮なメッセージが歌われる "No Escape (from Balkan)"




 世紀末っぽいアニメと歌詞が何かじわっとくる "Kažu"
 タイトルと歌詞に出てくる Kažu とは英語で They say という意味で、「奴らは言う」といったニュアンスでしょうか。




 酒場でゾンビに襲われるMVが面白い "Kafana"
 Kafana とはバルカン地方でみられる大衆酒場のような場所だそうです(Wikipediaの記事)。歌詞には新型コロナをイメージさせる部分もあります。




 スチャスチャした音楽が好きな方はぜひお楽しみを。

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春間近の姫路近郊を無計画の神姫バス巡り [バス]

 3月の彼岸の3連休、まだまだ寒いですがちょっとどこかへ行きたくなったので、姫路近郊に乗りバスに行ってきました。

 今回は完全に思いつき、事前の時刻調べもせず、行き当たりばったりの乗りバスです。
 結局乗ったのは姫路からたつの市にかけての次の路線です。



 まず姫路駅前から、広畑方面に向かうバスに乗ります。元々姫路市バスだった路線です。
 製鉄記念広畑病院行きはいくつかの系統があるのですが、中地、英賀保駅経由の面白そうな系統は残念ながら土日には走っていないので、メジャーな青山経由の便に乗らざるをえません。

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 市街地の広い道路を西向きに走ります。

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 夢前川を渡ると左折し、郊外の住宅地区を川沿いに南下します。

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 広畑地区の市街地を通り抜けると、まもなく終点の製鉄記念広畑病院です。

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 病院のほか、大型店舗が集まる一角になっています。

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 ここからJR網干行の路線もあるのですが、やはり土休日は便がありません。
 すぐそばに山陽電鉄の夢前川駅があるので電車で移動することにして、ちょうど昼どきなので駅前のカフェでランチで腹ごしらえしました。

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 腹ごなしに、日本製鐵の広畑製鉄所を見ながら隣の駅まで歩くことにします。

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 製鉄所の正門から、広い道路をちょっと北上し、山陽電鉄の広畑駅から電車で網干に向かいます。

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 ここからは神姫バスの子会社「ウエスト神姫」の路線で、龍野経由山崎行に乗ります。

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 網干地区内を北上し、JR網干駅南口に立ち寄ったのち、踏切を渡ってさらに北上します。

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 太子町内に入り、新幹線をくぐってさらに北上し、林田川を渡って旧龍野市の中心部に入ります。

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 バスはJR本竜野駅には寄らずに中心部を抜けると、揖保川を渡って川沿いに北上します。

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 旧新宮町に差し掛かると、間もなくJR播磨新宮に到着です。バスはさらに北上して宍粟市の山崎まで行きますが、今回はここで下車しました。

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 JR姫新線に乗って帰ります。

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 姫路周辺は中心部こそ多くの路線や本数がありますが、郊外に行くと限られた路線で本数も少なくなり、決して安泰とは言えないようです。今回乗ったウエスト神姫の網干〜龍野〜山崎の路線のような姫路直結ではない路線もいつコミュニティーバスに転換されるかわからないので、走っているうちにできるだけ乗っておきたいと思います。

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